分譲マンションの選び方ガイド

オール電化マンション / 分譲マンション住宅設備

最近多いのがこの「オール電化」住宅です。なんかいい響きがする。エコっぽい。などという考えをもたれる方もいるかもしれません。もちろん、オール電化は非常に良いものです。ですが、いくつかの注意点もあります。また、同じオール電化であっても、物件によって価格が20万円、30万円も違う場合もあるのです。ここでは、オール電化マンションを比較する上でのポイントを説明します。キーワードは「昼間」と「電器温水器かエコキュートか」です。

失敗しない分譲マンションの選び方

オール電化とは何か?

オール電化とは、家中のエネルギーを電気だけにすることです。基本的には、ガスコンロを「IHクッキングヒーター」に交換して、ガス給湯器を「電気温水器」や「エコキュート」に切り替えることを指します。詳しくは「オール電化とは」などをご覧下さい。

さて、オール電化にするメリットは以下の通りです。()はどの機器が該当しているのかを示したものです。

  1. IH)火を使わないのでコンロの火などによる火災のリスクが減る
  2. IH)火を使わないので子供や老人などの火傷のリスクが減る
  3. 給湯器)割安な深夜電力を使ってお湯を沸かせるので経済的(光熱費の節約)
  4. 全体)ガスを使わないのでガス料金の基本料金分がお得になる

 

分譲マンションでのオール電化

分譲マンションでも火災というリスクは多くの方に迷惑を掛ける災害ですのでそのリスクが小さくなるのはうれしいですね(もちろんゼロではありませんが)。さらに子供やお年寄りにも安心、さらに光熱費の節約にもなるというのであれば近年普及しているのも納得です。

ただ、「オール電化マンションは必ずしも経済的か?」「どのオール電化マンションも一緒なのか?」と聞かれるとそれは違うと回答します。

オール電化マンションは必ずしも経済的か?

まず、多くの場合でオール電化マンションの場合、電気ガス併用マンションと比較して経済的であるといえると思います。ただし、一点だけ問題があります。それは「夏場の昼の電気代コストが高い」ということです。普通電気代は20~24円/kWhくらいです。これは1000Wの消費電力の電気機器を1時間使った場合の電気代コストです。
オール電化の場合、深夜の時間帯の電気代単価が8円/kWhくらいと大幅に割引されているのでその時間に電気温水器・エコキュートでお湯を沸かします。そのため、経済的といわれるのです。
ただし、夜は安いのですが、逆に昼間の時間帯は高く設定されているのです。夏場は32円/kWh程度、その他の時期は28円/kWhくらいです。特に夏場の昼は自宅にずっとだれかがいるような状態ではエアコン(冷房)が入りっぱなしということもありますので、そうなると電気代コストがかなり高くなることがあるのです。

どのオール電化マンションも一緒なのか?

オール電化マンションと一口に言ってもそれぞれで導入されている機器は違っています。それによる若干の性能は異なります。ただし、絶対に確認しておきたい点は「電気給湯器orエコキュート」という点とその「容量」です。

電気給湯器とはヒーターで水をお湯に替えます。「暖房に使うエネルギーの比較」を見ていただくと分かるように、電気とガスではおよそ光熱費で2倍近く、ガスのほうが有利ということになります。ただし、オール電化住宅の場合は深夜の電気代単価が昼間の1/3くらいであると言うことで、2×1/3=66%くらいということで、わずかにガス給湯を上回っているといるです。
ただし、エコキュートは違います。エコキュートはエアコンと同じ「ヒートポンプ」という技術を使っています。これは、電気を直接熱や冷気に変えるのではなく、熱の交換によって熱や冷気を生み出す仕組みとなっています。エコキュートの場合、この仕組みにより、電気を直接お湯に変える場合の3倍近い効率となります。つまり電気温水器と比較して3倍もの効率でお湯を作ることができるのです。
もちろんその分電気代も安くなります。なので、オール電化マンションの場合は、まず「電気給湯器か?エコキュートか?」を尋ねましょう。ちなみに、機器の代金で言えば電気温水器とエコキュートとの差は10~20万円くらい違いがあります。
ただ、月々のランニングコストについては「エコキュートと電気温水器の違い」にありますように、月間の光熱費でおよそ2,000円くらいの差がでてきます(モデルケースの場合)。年間では24000円、5年~10年くらいで元が取れる計算になりますね。

次に、「容量」についてですがこれは「エコキュートのタンク容量の選び方」のサイトで説明されています。容量によって使えるお湯の量が変わってきますので、人数に合わせたタンクが設置してあるのかも確認しましょう。
一般的には、夫婦の2人場合で300リットル、3人~4人で370リットル、4人~5人で460リットルといったところです。お湯をたくさん使う家庭なら4人でも460リットルのものを選んだ方がいいかもしれません。