分譲マンションの選び方ガイド

希少性とマンションの価値

市場経済では価格は「需要」と「供給」により決められます。その中でも希少性とは「供給量」が少ないという意味です。供給量が需要に対して少ないということはそれだけ価格が高くなりやすいという特徴があります。ただし、単に珍しいというだけではダメで、価格弾力性のある珍しさである必要があります。

失敗しない分譲マンションの選び方

マンションの資産価値と希少性の関係

希少性とは、珍しいこと、数がすくないことです。ダイアモンドという宝石が効果な理由は「欲しいと思っている人の数」に対して「存在する(生産される)数」が少ないために価格が高いのです。経済学における古典的な価格理論に需要と供給という観念があります。需要が大きくなるほど価格は高くなり、供給が大きくなるほど価格は安くなるというものです。
マンションも同じです。供給量が少ない(希少性の高い)中古物件は中古市場でもそれなりに高い価格で取引されるのです。要するにそういった希少性があるマンションは「資産価値が高い」ということになります。

 

価値のある希少性と価値のない希少性について

ただし、単に「珍しい=価値がある」というわけではありません。たとえば、マンションの居室内に噴水がある家は珍しいですが、それが価格(価値)につながるとは限りません。
どういうことかというと、「追加でお金を出してでも」欲しいという希少性でなければなりません。需要が無い希少性というのは基本的には価値を持たないのと同じです。むしろ邪魔になる可能性さえあります。

では、追加でお金を出してでも欲しいと思う希少性にはどんなことがあるのでしょうか?

ある研究によると人がお金を出すという条件には「時間節約」「痛みから逃れる」「快楽を得る」という三つに分類されるといわれています。これをマンションの希少性の当てはめて考えてみると。

  1. 駅から近い物件など交通の便が良い物件(時間節約)
    立地とは希少性の一つです。なぜなら同じ土地に二つの建物を建てることはできないからです。駅から徒歩○分というような好立地の物件はそれだけ希少性があるということです。その希少性は駅から近いほど高まります。
  2. 角部屋、最上階(痛みから逃れる・快楽を得る)
    角部屋や最上階というのは共同住宅であるマンションにおける一つの宿命ともいえる騒音問題を和らげることができます。さらに、最上階や角部屋などは通風・採光面で優れていたり、最上階の場合は眺望という快楽を得ることができます。
    希少性という面では最上階や角部屋という部屋には当然限りがありますので、これにも該当します。
  3. 趣味などに対応した施設がある(快楽を得る)
    例えばバイクが趣味という人にとって整備されたバイク置き場があるとうれしいですよね。家庭菜園が好きな方にはルーフバルコニーのような大型のベランダがあるとこうした趣味に活用できます。ルーフバルコニーなどは物件の中でも限られた一部の部屋にしか構造上作ることができませんので希少性が高いといえます。
    一方で趣味に適していても、その趣味が非常にマイナーな場合は希少性があっても需要が少ないケースがあるので注意です。
  4. 供給数の少ない面積(平米数)・間取りの物件
    一般に分譲マンションで最も多い間取りは3LDKのプランです。しかしながら、50平米以下の1LDK~2LDK物件(DINKS向け)や100平米を越えるような広い住宅は供給数が少ないです。
    物件の地理的な面もかなさりますが、これらの想定世帯ではない世帯向けの物件は供給量が少ない(希少性が高い)ためマンションの資産価値という面でも高い価値を持つ場合があります。