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分譲マンションの選び方ガイド

賃貸マンションと分譲マンションの比較

まず最初に考えたいのが「賃貸」と「分譲」の違いです。この比較ポイントは要するに、「買うのか」「買わないのか」という最も根本的な比較となります。実際によく考えてみたら買う必要は無いかもという選択も大いにアリだと思います。ここでは、マンション(限らず住宅を)買うのかがお得か、借りるのがお得なのかを徹底分析していきます。

失敗しない分譲マンションの選び方

分譲マンション(購入)のメリット

まずは、マンションのディベロッパーや巷で一般に言われている分譲が優れている点について考えてみます。

  1. 家賃がいらない。ローン返済後は賃料が発生しない
  2. ローン支払い後は、資産としての不動産が残るが賃貸は何も残らない
  3. 自由度が高い
  4. 賃貸物件よりもグレードが高い。賃貸物件はどうも安っぽい。
  5. 住宅取得については各種優遇措置がある

以上の「マンションを購入するメリット」についてそれが本当かどうかを詳しく見ていきます。

1.家賃がいらない。ローン返済後は賃料が発生しない

確かに、完済後は家賃は必要ありません。しかし、税金や維持費などは当然かかります。およそ3000万円程度の物件であれば固定資産税として10万円程度、年間の維持費(修繕積立金)などで18万円くらいでしょうか。
これが毎月のローンに加わってくるわけです。また、ローンの支払いが終わった後もこうした費用については必要になります。もちろん、税金や修繕費は月々の賃料に比べれば安いものですが……。

 

2.ローン支払い後は、資産としての不動産が残るが賃貸は何も残らない

住宅の場合は最後に建物(一戸建ての場合は土地も)が残ります。ただし、分譲マンションの場合価値の大部分は建物です。(土地はほんのわずか)。ローンを払い終わるのが何年後かはローン契約によりますが、場合によってはほとんど残存価格が無い場合もあります。

 

3.自由度が高い

賃貸などでは自由に内装を変えたりはできませんが、分譲マンションの場合は比較的自由にできます(場合によっては管理組合の許諾が必要になる)。ただし、賃貸の場合は気に入らなければ出ていくという選択ができます。分譲の場合はデメリットの項目にも書きますが中々出て行けません(ローンの支払いなどがあるため)

 

4.賃貸物件よりもグレードが高い。賃貸物件はどうも安っぽい。

これは確かにいえます。最近では分譲型賃貸マンションのような名前でハイグレードな賃貸物件もでていますが、限られた都市、かつ超高級賃貸市場に限定されています。
分譲マンションの場合は手軽な価格でハイグレードな住環境を手に入れることができるという点では魅力といえるでしょう。ほとんどの価格帯の分譲マンションでは設備、建材などともに賃貸よりもグレードの高いものを利用しています。この点は賃貸に対する分譲マンションの大きな強み(メリット)といえます。

 

5.住宅取得については各種優遇措置がある

例えば住宅ローン減税のように、住宅を購入する事で経済的な恩恵を受けられる国の制度があります。住宅ローン減税などは特に所得の高い人に対しての節税効果が高くなります。

 

マンション購入のデメリット

あまり語られないマンション購入のデメリットについて比較しましょう。

  1. 実はレバレッジ何十倍というハイリスク取引
  2. 家を替えたいと思っても中々できない
  3. 修繕積立金が十分でない場合には多額の資金が必要になることもある

1.実はレバレッジ何十倍というハイリスク取引

私が一番に指摘したいデメリットはこのハイリスク取引であると言う点です。「株の信用取引」と聞くと怖い投資という印象がありませんか?この信用取引というのは「信用取引の仕組み」などで説明されている通り、投資している資金の3倍以上の投資が可能な商品なのです。この倍数を「レバレッジ」と呼びます。
じゃあ、分譲マンションはどうなのよ?といえば、住宅ローンにおける平均的な頭金が20%くらいっていいますから、レバレッジに換算すると5倍のレバレッジということになります。金融取引という面で見れば結構なハイリスク取引なのです。

最近では、不景気で給料(収入)が落ちて、住宅ローンの返済ができなくなり家を手放すという話も聞きますが、これは言い換えるなら、信用取引で追証を食らって追証払えなくて投資している株が強制決済されるようなものです。つまり、住宅を購入する場合にはしっかりとしたリスク管理と計画を立てることが大切ということです。

 

2.家を替えたいと思っても中々できない

賃貸の場合なら、1ヵ月の解約予告さえだせば、すぐに次の家に移ることができます。一方で、分譲マンションの場合はそうもいきません。通常住宅ローン返済中は物件を第三者に貸すこともできません。
ただし、たとえば転勤などやむをえない理由で転居が必要な場合は第三者に分譲賃貸として貸すことができる場合があります(住宅ローンを利用している銀行などにご相談ください)

 

3.修繕積立金が十分でない場合には多額の資金が必要になることもある

分譲マンションでは大規模な修繕に備えて修繕費の積立などがされますが、これが十分でない場合が見られます。しっかりとしたマンションディベロッパー、管理会社が入っていれば適切なプランで最初から組んでいますが、下手な管理会社などがプランを組んでいる場合、大規模修繕のお金がないからできない。なんてことになる場合も。
その場合、月々の修繕費の値上げや特別にお金を出したりするような出費を求められるケースもあります。