分譲マンションの選び方ガイド

床暖房 / 分譲マンション住宅設備

床暖房はいいですよね。冬場でも足元が暖かいと輻射熱で心地よい暖かさを得ることができます。ただ、単に床暖房といっても床暖房にもいくつか種類があります。そしてその種類によってはかなりの高コスト(ランニングコスト)の暖房器具となって最終的に使わなくなったなんていう悲劇が訪れるかもしれません。

失敗しない分譲マンションの選び方

床暖房をつけるかどうか?

まず最初に床暖房についてですが、個人的にはよっぽど冬でも暖かい場所でなければ床暖房はあると非常に快適です。エアコン暖房とは異なり、床下から輻射熱によりじんわりとした暖かさが届きますので非常に快適です。もちろん設置コストがかかる分費用は高いですが、後から付ける場合はもっと高くなりますので、付けたいという希望があるのであれば最初から床暖房が設置してある物件のほうがお得です。

ちなみに、床暖房については「床暖房の選び方」「オール電化と床暖房」などのサイトではそれぞれ専門的に開設されているのでそちらも参考にされてください。

「よし、分かった。床暖房は設置しよう」と決められた場合、一つだけチェックして欲しいことがあります。それは、お住まいのマンションがどのタイプの床暖房を使っているか?とういことと、電気やガスの設備が何かということです。

 

床暖房の動力(エネルギー源)によってランニングコストが随分違う

どのタイプの床暖房かということは大まかには「電気式」か「ガス(温水)式」かということです。

まずは「暖房のエネルギー源と熱量」をご覧下さい。こちらのサイトでは、「灯油」「ガス」「電気」のそれぞれのエネルギーごとの比較がされています。灯油を動力とする床暖房をマンションに設置することは無いのでガスと電気だけの比較にします。「ガス:1円あたり70.12kcal」「電気:1円あたり35.8kcal」となっています。

これだけみると電気はガスの2倍のコストがかかることになります。しかし、以下の点で条件は大きく変わるのです。

 

ポイント1:ガス温水器床暖房の場合給湯器はエコジョーズかどうか?
一つ目のポイントはガス温水器床暖房の場合、給湯器が「エコジョーズ」かどうかを必ず確認します。エコジョーズとは「潜熱回収型給湯器」とも呼ばれる給湯器で、従来のガス給湯器よりも高効率で熱エネルギーをお湯にかえることができます。
ガス温水器床暖房の場合、ガス→お湯→床暖房というプロセスを経るので、ガス→お湯に変える際にロスが大きい場合には、ランニングコスト(ガス代)が余計にかかるのです。ちなみに、従来式の給湯器の場合80%、エコジョーズの場合は95%の熱変換効率となります。
先ほどのカロリー換算は100%の熱効率の場合ですので、従来式の場合56.09kcalにしかなりませんが、エコジョーズのああ意は66.61kcalと電気式床暖房に対する優位性を保てます。

 

ポイント2:電気式床暖房の場合、マンションはオール電化かどうか?
電気式床暖房はマンションで採用される場合電熱線を使って床を暖めるタイプが多いです。このタイプは電気を直接熱に交換するため、非常に効率よく床を暖めることができます。
仮に、非オール電化住宅で電気式床暖房を設置する場合には、やや注意が必要なのが「アンペア」です。通常アンペア契約は使用するアンペアの大きさに応じて契約します。例えば60Aの場合、同時に6000Whの電力を消費することができます。問題なのは、非オール電化住宅の場合アンペア数が大きくなるとそれだけ電気代の基本料金がアップするということです。
一般に電気式床暖房を利用する場合には、2000Wh程度の電力を消費します。つまりおよそ20Aです。冬場にはこれだけの追加的な消費が予想されるため電気料金の契約もアンペア契約を引き上げることになります。
東京電力の場合、40A契約の基本料は1,092円ですが、これを電気式床暖房導入のためには60Aにまでアップさせる必要があります。すると基本料は1,638円にまでアップします。年間に換算するとおよそ6.500円の差になります。
当然、これに加えて電気式床暖房を使っただけの電気代もかかることになるのです。
一方、オール電化住宅の場合はアンペア数による契約ではないので、このコストアップはありません。

 

分譲マンションに対する床暖房ならどっちがおすすめなの?

個人的にはガス式の床暖房をオススメします。やはり暖かくなるスピードはガス式の方が早いですし、ランニングコストでもガス式が上回ります。ただし、オール電化マンションを希望されているのであれば、この場合は電気式床暖房の一択となってしまいます。

ガス式床暖房のメリット
・立ち上がりが早い
・ランニングコスト(光熱費)が安い

電気式床暖房のメリット
・設置費用が安い
・小規模(1室1箇所のみ)の場合は設置コストも安い。(広くなると高くなる)
・ガス式と比較してメンテナンスが容易