分譲マンションの選び方ガイド

分譲マンションと一戸建ての比較

要するに、マンションか一戸建てかの比較となります。この比較については、条件が一緒であれば、開放感や土地の広さ、自由度を取るか、立地(利便性)を取るかの問題に近いところがあります。そのため、一概にどちらかがお得でどちらかが損ということはありません。ここでは、それぞれの長所と短所を比較する形で分譲マンションと一戸建て住宅を比較します。

失敗しない分譲マンションの選び方

分譲マンションと一戸建ての違い

同じような物件価格の場合、分譲マンションでは管理費などが必要になることから必要な総コストは高くなります。また、価値の多くが「建物」部分にあることから、年数が経過した場合の残存価値も比較的小さいのがマイナス点といえるでしょう。
その一方で、管理を支払っているからこそ、共用部分の清掃などは管理人さん(管理会社)がやってくれますし、建物の設備も一戸建てよりも優れている場合が多いです(セキュリティ・ゴミ置き場の設備・その他共用施設など)。さらに

戸建て住宅の場合は管理費などはかかりませんが、その分多くのことを自分自身でしなければなりません。庭のお手入れだけでなく、家の周囲の清掃もありますし、ゴミ出しなども所定の場所まで運ぶ必要があります(さらに掃除や管理なども持ち回りで行うことがあります)。また、同じ物件価格で比較した場合には、分譲マンションの場合と比較してどうしても不便な場所にしか建てることができないというもの、利便性という観点からはマイナスです。
一方で、物件価格のうち「土地」の価格が多くを占めていることから、立地にもよりますが資産性は高いです。また、庭付き一戸建てと呼ばれるように、お庭があることが子供がいる場合などの環境面において重視される場合もあるでしょう。

最終的には分譲マンション・一戸建て双方にメリット、デメリットがあります。これを皆さんがどのように捕らえてどちらを重視するかというライフスタイルに応じて考えると良いかと思います。

分譲マンションのメリット

  1. 同じ価格帯の一戸建てと比較して利便性が高い立地にあることが多い
    分譲マンションの方が概ね好立地。駅が近い、都心部に近いなどの立地上のメリットがあります。一戸建ての場合は土地価格がネックになるため郊外など土地が安いところに予算上建てる必要が出てきます。
    一方の分譲マンションの場合はマンション1戸あたりの土地面積は小さくなるのでその分立地の良い(土地価格が高い)場所に建てられることが多いです。
  2. 賃貸市場に転貸しやすい
    一戸建てと比較して分譲マンションは賃貸住宅としての需要も高いです。そのため、転勤などの理由で家を離れる必要がある場合には、分譲マンションのほうが賃貸に出しやすいという点があります。(もちろん、一戸建てにも賃貸ニーズはありますが、一般的には分譲賃貸の方が人気です)
  3. 設備上のグレードが高い
    一般に同じ価格を出す場合、分譲マンションの方が建物設備のグレードが高いことが多いです。共用部分における「ゴミ出し場」「セキュリティ」「ディスポーザーなどの付帯設備」などは分譲マンションに軍配があがります。
  4. 清掃や設備の管理などの面で優れる
    管理料などのコストがかかりますが、その分共用部分の清掃や管理などは管理人さん(管理会社)に任せることができます。一戸建ての場合は庭の草むしりや周辺の掃除などは当然持ち主が自分で行う必要があります。

 

一戸建てのメリット

  1. 同じ価格の物件を買った場合の総コストは分譲マンションより安い
    例えば同じ価格で分譲マンションと一戸建てを購入した場合、生涯にわたって支払うコストの総計は一戸建てのほうが安くなります。(一戸建ては管理費などがかからない分)
  2. 最終的に「土地」がのこるので、最終資産価値は一戸建てが高い
    一戸建ての場合、最終的に建物がなくなっても「土地」が残ります。分譲マンションの場合、建物の価値がなくなった場合の残存価値はほとんどありません。そういった意味で一戸建てのほうが資産価値が高いということになります。

    一方で、木造住宅の寿命は22年、マンション躯体の場合は47年となっています(税法上の耐用年数)。上記の場合で考えると木造の一戸建てと比較してマンションは2倍長持ちする計算になります。
    また、一戸建てにおいて土地が残ったとしても、売れるかどうか?は別問題です。今後日本は人口減少が予想されています。「人口減少=住宅に対する需要減」となりますので、その場合でも価値が残るか?という点は重要です。
    土地の値段は下がらないという「土地神話」は既に崩壊しているのです。
  3. 自分の家・庭だからこそできる自由度の高さ
    一戸建て住宅のメリットは自由度の高さです。もちろん法令や条例に違反した建物や設備をつけることはできませんが、自分の家だから大胆な改造や設備を作ったりすることができます。分譲マンションも原則的には可能ですが、管理組合などの許可が必要です。また、ベランダなどは法律上「共用部分」に該当しますので、改築は不可能です。
    こういった場所を自由にできるという自由度の高さは一戸建て住宅の特権といえるでしょう。