分譲マンションの選び方ガイド

建物構造 / 分譲マンションのチェックポイント

建物の構造といわれても専門家でもないのに、●●工法採用!などと書かれても、「ふーん、いいんだ」くらいにしか分かりません。しかし、そうしたものは実はあまり重要な項目でなかったりします。建物構造のチェックポイントでは、建物資料から読み取れる構造でどこをチェックすれば優れたマンションであるかがわかるのか?という重要な点を解説していきます。

失敗しない分譲マンションの選び方

分譲マンションでチェックしたい構造上のポイント

建築の専門家ではない人がいくら構造をしるした資料なんかみてもわかりっこないから、ということでほとんど見ていない方も多いようです。しかし、逆を言えば構造がしっかりしているマンションは本当に住む人のことを考えているマンションであるとも言い直すことができます。

見た目など表面上の設備はキレイでも建物の構造がしっかりしていなければ、将来住んでみて様々な問題に直面することになるかもしれません。

マンションにおける構造上重要なポイントは「メンテナンス性」「音(遮音・防音)」「堅牢性」の三つが特に大切だと思っています。メンテナンス性が悪い住宅は、管理費が無駄に高くなったり、修繕費が将来多額になる、また、自宅のリフォームが思ったようにできないなどの問題を生じさせます。
音(遮音性・防音性)については、マンションにおける隣人トラブルで多い「騒音・音」に関する問題に直面します。もちろん、どんなに遮音性が高いマンションでも音が完全に遮断されるということはありませんが、遮音性や防音性が高いマンションは音に関するトラブルリスクを大いに引き上げます。
最後の堅牢性は言うまでもありません。マンションは何十年と建ち続けるものですから、耐震性や他の風水害などに対して強いものでなければなりません。

このページでは、分譲マンションの構造においてこうした点をクリアしているマンションの構造上の特徴をピックアップしています。以下で書いているポイントを満たしているマンションであれば、上記のメンテナンス性や遮音性、堅牢性についても十分に考えられたマンションとして及第点が出せるのはないでしょうか?
なお、下記のポイントは2010年現在のマンションに基づいています。中古物件などの場合は若干異なる場合があるかもしれないということを申し添えておきます。また、内容に管理人の主観もやや含まれていることをお許し下さい。

 

分譲マンションを建築構造で比較・検討する場合のチェック項目の一覧

以下は分譲マンションを比較する場合にチェックしたい建物構造に関する項目です。

外壁構造・外壁材
建物の外壁などの構造やその素材です。基本的に外壁は鉄筋コンクリート造のダブル配筋のものがオススメです。鉄骨がダブルで入っているための強度が高いです。軽量さ必要になる超高層マンションを除いて、基本的にマンションの外壁はすべて鉄筋コンクリート造のダブル配筋となっていることを確認しましょう。

屋外階段
屋外階段とは、名前の通り建物の外にある階段です。この屋外階段は大きく鉄製のものとコンクリート製のものがありますが、鉄製のものはどうしても年数がたつとさびてきます。屋外階段は外からも見える建物設備ですので、それがさび付くということは、定期的なメンテナンスが必要になるということです。

排水管の種類
マンションの縦方向の排水管はマンションの共有部分となりますが、排水を上から下に流す重要な機構です。この配水管は大きく「耐火被覆二層管」「塩ビライニング鋼管」「鋳鉄管」の三種類があります。後者になるほど高価なのですが、分譲マンションの場合はその後のメンテナンスなども考えるのであれば「鋳鉄管」を採用していることは基本ともいえるでしょう。

フラット35Sが使えるか?
マンション全体の建物構造を考えた場合に図面を見ないでマンションが一定の品質を持っているかを確認する方法は、フラット35S(できれば20年引き下げタイプ)が利用できるかどうかを確認してみてください。フラット35Sは住宅ローンの一種なのですが、一定の技術基準を満たしていなければ利用できないローンなので、この基準を満たしているかどうかである程度の品質確認ができます。

二重床・二重天井
二重床や二重天井は直床、直天井と異なり、マンションのスラブと呼ばれるマンションを支えるコンクリート床と実際の床や天井との間に空間を持たせた構造です。遮音性が優れる上、二重床の場合は水周りの修理交換が容易になります。また、二重天井の場合は遮音性はもちろん、天井の照明器具の配置・変更などが容易にできるといったプラス面があります。

スラブの厚さ
スラブとは、マンションの居室をさせるコンクリート床のことです。スラブの厚さが厚くなるほど遮音性がアップします。一般には20cm~25cm程度がその大きさの基本といえるでしょう。ただし、スラブは厚さだけではなく、面積とも密接な関係があり、面積が25~30平方メートルに付き、小梁を一つ以上入れておく必要があります。

住戸内の間仕切り壁
住戸内の間仕切り壁は、一つの住戸内における部屋と部屋を区切る壁のことです。この仕切り壁は下地に石膏ボードを両側から張り、それにクロスを張っています。しかし、この石膏ボードの厚さによって遮音性能は大きく変わるのです。石膏ボードの厚さは9.5mmのものと12.5mmのものがあります。遮音性が高いのは12.5mmのものです。

隣の住戸との戸境壁
戸境壁とは、住戸と住戸の間の壁です。大きく壁に直接クロスを貼る方法と、コンクリートの両端に支柱を立てて、表面に石膏ボードを張る方法(二重壁)です。コチラの場合遮音性は二重壁よりも直接クロスを張る方が高いということが分かっていますが、クロスを直接張っていない場合は壁の仕上げが逆にいい加減であることが疑われます。